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後味の悪い話 その90

357 :本当にあった怖い名無し:2008/07/30(水) 18:51:19 ID:URQixCpH0
漫画「パイナップルアーミー」より「カーテンコール」

主人公は、大実業家ワンツの西ベルリン訪問時の身辺警護を依頼される。
東ベルリンから西に亡命して成功をおさめいま年老いて郊外に住むワンツは、
民間軍事組織のスポンサーもやっいたため以前からたびたび危険な目に遭っていた。

レストランやホテルで警備のためいろいろと指示をしてくる主人公にいちいち反抗するワンツ。
そのうえある日突然「明日東ベルリンを訪問する、会いたい人間がいる」と言い出す。
その時代、東ベルリン側に入る時は武器を所持できなく、
またワンツは依然として亡命者なので何かあっても警察に駆け込むこともできない。
「なにを考えてるんだ!」と怒る主人公にワンツの秘書兼運転手マイヤーが
「どうかお許しを、旦那様は目を悪くし、数日後に手術を控えていますがそれも成功するかわからず、
 また明日にも失明するかもしれず、どうしても明日東へ行かないといけないのです」と。

案の定、東ベルリンに入ってから政治がらみの暴漢が襲ってきた。
だが暴漢が足下に落とした銃をワンツが拾って突きつけ撃退する。
そして暴漢が消えていったあともワンツはそのままの格好で銃を突きつけていたことから、
既に目が見えなくなったことを知る主人公とマイヤー。

主人公は車窓から東ベルリンの街並を眺めながら昨日のマイヤーの話を思い出す。
ワンツは1959年に妻を亡くしたことを切っ掛けに西に亡命したが、
当時はまだ東西を簡単に行き来でき、幼い娘エバを東の実姉のもとに預けていた。
だが1961年になり突然「鉄のカーテン」が引かれ、娘は東に置き去りになってしまう。
ワンツは姉に、娘をそのまま姉の子として育ててくれと頼んだ。
そのまま娘はワンツが親と知らず育ち、数年前に結婚し、子供を産んだ。
娘とその子は毎日いつも同じ時間に同じ場所を通っているという。
ワンツはそれを知りどうしても一目娘と孫を見たく東ベルリン行きを強行したのだった。

車を街角に停めて待っていると、その時間に通りを若い母親と幼い子供が笑いながら横切った。
「どうだマイヤー、私のエバは美人だろう」と問うワンツに「はい素敵なご夫人です」とマイヤー。終


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